「ゆくゆくは化学調味料ゼロの中華料理屋にしていこうかな」
今回尋ねたのは、宿毛駅から徒歩1分の場所にある「中華旬菜 水滸(すいこ)」。宿毛市で開店されて11年を迎え、ランチとディナーの営業をしており地元民からはもちろんわざわざ行ってでもまた食べたい「クセになる味」の中華料理店です。店主 柏原 日出輝さんの想いである「できる限り添加物を使わない」。食べ物がいろんな影響を及ぼすということ、子供たちの食育の観点からも今、考えていることをお聞きしました。
▼店主の柏原 日出輝(かしはら ひでき)さん(45) 趣味:多肉植物
―「添加物をできる限り使わない」ことへのこだわりを教えてください。
「昔からそういうことに興味がありました。というか、抵抗があるというか。料理はしてるんだけど個人的には添加物系に抵抗があり、オープンした時から徐々に添加物を減らしてきてて、お客さんの反応を見ながらやるんですけど、その反応に違和感がないので、添加物をなくしてもいいんじゃないかなと思って。中華料理で無添加って多分ないんですよ、そういうのをやっていこうかなと考えています。ゆくゆくは化学調味料ゼロの中華料理屋にしていこうかなと考えています。」
―「子供にも安心して食べられるもの」
「食品添加物は蓄積されていくものなので、”子供たちに食べてもらう”ってどこかで抵抗感がありました。食事が体にいろんな影響を及ぼすと考えているので、これからの若い人たちに微々たるものですけど、食育っていう観点から大事なことなのかな、料理屋として矛盾してる部分はあるかもしれないけど、常にそういう葛藤はあります。」
▼こだわりのスパイスは広島や福岡から調達しているもの。
▼客席はカウンター席とテーブル席が4席、おひとり様でもファミリーでも来店しやすいです。
―お店の名前の由来を教えてください。
「お店の名前の由来は、この宿毛市は干ばつなどがなく、水が豊富な場所というか、水不足も宿毛市ではない、川も流れていますし。『水滸(すいこ)』って『水辺』や『水のほとり』っていう意味なんですけど、中国の『水滸伝』という水辺の物語から拝借して、水の都という意味でつけました。」
―店内の雰囲気へのこだわりはありますか。
「何かを置くことによって飽きられないように、というとこと、それと趣味です。店内の雰囲気についてもいろんなお店に行ったりして、そことはちょっと違った個性の部分を出せたらと思ってます。盛り付けにしても、例えば『汁なし担々麺』にしても、この盛り付けはうちしかないと思うし、個性を出したいと思ってます。」
▼盛り付け、味、調味料にもこだわった『汁なし担々麺(980円)。
▼ぐつぐつと音を立てながら登場した熱々の『石焼き麻婆丼(1,200円)』。
―大変な時期はありましたか。
「コロナの時期は外出禁止令がありお客さんが減ってしまって大変でしたが、そう言われてもうちも料理しないと食べていけないので、何ヶ月かはテイクアウト専門でやったりっていう時期もありましたけど、そこから2年くらいは結構厳しくて。最近はぼちぼち戻って、来ていただいてコロナ前の状態くらいまでには戻ってきてます。ただ物価高ですよね、店始めたころからいうと原価が軽く倍くらいになっているので。かといって売値は倍にはできないので、そこはなかなか厳しいとこです。」
―何か対策はお考えですか。
「他の店舗さんと共同で外販をやろうという話はしてるんですけど、もしかしたら近いうちに形になるかもしれないです。冷凍が効くものだったり、生ものじゃない日持ちするものとかを、宿毛市以外の所でも、小さい物産館みたいなところができたらいいんですけど、それは計画段階です。それに向けて試作したりしてます。」
▼お料理やお店のこだわりについて話してくれる柏原さん。
―これまではどんなところで働いていたのですか。
「もともと熊本のホテルの中の四川料理の店で12年間働いてました。ずっと厨房にしかいなかったんで、ホテルの厨房って完全に客席と隔離されてるので、ホールに出たことがほとんどありませんでした。デパートのバックヤードとかで働いたこともありますし、ホテルの時も地下だったんですね、だからずっとこうモグラみたいな、そのうち体も悪くなりそうな気もしてましたし、完全に隔離されたところでどんなお客さんがきてるのかも知らずに『自分は何やってるのか?』とあるとき思い始めて、ここにいたらダメだ、嫌だと思った。例えば、自分が料理で失敗して出して苦情がきたとしてもそれを処理するのはホールのスタッフじゃないですか。お客さんがどんな表情で食べてるのかもわからんかった、うちは半オープンキッチンで、外の日も多少は入るのでストレスはなくなったと思います。働く環境も大事なのかな。」
―辛いメニューもたくさんありますね。
「四川料理の全部が辛いってわけではないんですけど、うちのメニューは少し多くなってるかな、嫁がすごい辛いのが好きなんですよ。僕は苦手なんですけど。だから『辛さ番付』ってあるんですけど、嫁から”こんなのやりたい”って案があって、お客さんからも辛いのが欲しいって最初の頃リクエストがあって少しずつ増やしたりして。宿毛って地域性で味付けが甘めというか、そういうところがあるんですけど、うちで使ってる調味料、醤油とかも濃いめみたいで、”これは宿毛ではウケないだろう”とお店やる前は言われてたんですけど、実際そういうことはなくて、だいぶ受け入れられたかなと思います。」
▼ザクザクした食感とピリッと辛い、自家製スパイス「香辣粉」が乗った『ピリ辛唐揚げ(950円)』
▼とろろ入りのまろやかな辛さのスープが麺にしっかり絡む『とろろ担々麺(1,050円)』
―これからの『水滸』とは。
「これから店としては現状維持ですかね、食事がいろんな影響を及ぼす話をしましたが、日々、情報もアップデートしていくので少しずつメニュー作りも変わってくると思う。添加物や化学調味料、そういうものを排除した料理を作れたらすごく良いことなのかな。」
中華旬菜 水滸(すいこ)
〒788-0010
高知県宿毛市駅前町1丁目204
[Tel] 0880-63-3540
[営業時間]
昼 /11:30~14:30(Lo 14:00)
夜 /17:30~21:30(Lo 21:00)
定休日 / 月曜の夜・火曜・毎月第2水曜
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※この記事は2024年10月発刊の「はらも~らVol.75」に掲載予定です。ぜひご覧ください。