サンライズ・ヴィラ　１Ｆ「２ＬＤＫ」

間取り図には、たくさんの“線”が引かれている。6帖と5.9帖の境界、LDK13帖の輪郭、収納の形、廊下の幅、窓の位置。間取りはいつだって、線の集まりだ。
だけど、実際に歩いてみると分かる。住みやすさを決めているのはその線ではなく——線と線のあいだにある“余白”だということ。

南向きのLDKには、数字では語れないゆとりがある。テラスから差し込む光が床を斜めに滑り、そのままキッチンの奥までやわらかく満ちていく。光の広がり方が、この部屋の印象をそっと形づくっている。

洋室の6帖と5.9帖も、数字ではほとんど同じ。けれど、空気の流れや窓からの明るさが少しずつ違っていて、寝室にしても、仕事部屋にしても、どちらも“選べる余白”がきちんと残されている。

設備は主張しない。けれど、暮らしの流れを止めないだけの“静かな支え”がこの家にはある。追焚も、浴室乾燥も、独立洗面も、豪華さではなく、日々のリズムを途切れさせないための余白だ。

車で動く町だからこそ、「行きやすい」と「静か」のちょうどあいだにある。その、無理のない距離感が心地いい。

線だけ見れば、特別なことは多くないかもしれない。けれどこの2LDKは、“あいだ”にあるものの大切さを静かに教えてくれる。
**暮らしは、線よりも、余白で決まる。**その言葉がもっとも似合う家。